TONECZARのディストーションDOVEのレビューです。
TONECZARは設計者のEd Remboldが2004年からペダルを製作し販売を行っているブランドですが、販売にあたって代理店を通すということを行なっていない為、直接オーダーをする形式となっています。一時期はオーダーしてから3年〜4年待ちなんてのがあったようです。
現在はそれほどでは無いかと思われますが、それでもそれなりに待つようです。
ということで中々、日本では紹介される機会がなく、所有している方も少ないのでは無いでしょうか?
今回紹介するDOVEはローからミドルゲインのディストーションです。
DOVEは2013年にアップデートがあり若干、仕様が変わりました。
現行のモデルはノブが5から6つへ、トグルスイッチが3から2つへ変更されました。
この個体はアップデート前のモデルとなります。
コントロールはノブが5つ、トグルスイッチが3つとなっています。因みに電源は18Vとなっています。
ノブとトグルスイッチの詳細は一箇所にシールに記載してあります。
ノブはVOL,GAIN,MIDDLE,BASS,TREBLEの構成です。
EQは12時でフラットです。
向かって右がDEEPスイッチで、上側にするとオンとなり、ローが加わり暖かみのある音になります。
左側がMODEスイッチです。
X・・最もゲインが高いモード
C・・クリーンを生かしたローゲインモード
S・・これは標準モードでしょうか?(現行品ではTと表記が変わっています。これはTOP BOOSTとの事です)
そして真ん中のMID VOICEスイッチはプレゼンスとミドルの切り替えとなっています。
MID VOICEでの切り替えにより、MIDDLEノブの挙動が変化します。
アップデートされた現行モデルではこのスイッチは無くなり。
プレゼンスがTREBLEノブへ、ミドルがMIDDLEノブに割り当てられ、旧モデルのTREBLEノブの挙動がSIZZLEノブとして加えられています。
次は気になるサウンドですが、存在感のある骨太なディストーションサウンドです。
アンプセッティングはクリーンです。
DOVEは何系というのでは無くオリジナルのディストーションとの事ですがSモードはRATに近い感じがします。
ただ、近い感じがするだけで、DOVEの方が力強さがあります。
高音弦をピッキングした時のカチッとした感じがRATより太さを感じることが出来ます。
ただゲインは若干RATより少なめでこの辺りはミディアムゲインディストーションなので仕方の無い所かと思います。
次はCモードですがこちらローゲインなオーバードライブに近いサウンドのモードです。
とは言ってもゲインMAXだとそこそこ歪みます。
このCモードは個人的にかなり好みです。
太くてまろやかな甘いトーンがとても良いです。
そしてドライブトーンもとても気持ち良いです。
ギター側のボリュームとの追随性も良いので、ゲインを上げてギター側で調整するにも使いやすいです。
最後はXモードです。
こちらは最もゲインが高いモードですが、密度も上がり極太なサウンドです。
さらにDEEPスイッチをオンにすることで重量感のあるサウンドが作り出せます。
(DEEPスイッチは他のモードでもアクセス出来ます)
とにかく密度のある歪みです。
DOVEはどのモードでもギターのボリュームの追従性を活かして瞬時にクリーンに持って行くことが出来、しかもクリーンになっても痩せることなく芯のあるクリーンサウンドである所が特徴です。
あと、本体の下部にエクスプレッションペダル繋げる差込口がありますが、
こちらは歪の量をコントロールする事が出来るそうです。ただし、TONECZARで製作しているエクスプレッションペダルのみ対応との事で実際に所有している他社のペダルではダメでしたので、この機能を使う場合は注文するしか無いようです。
DOVEのサウンドはクリーンとの混ざり具合が絶妙で、ピッキングのタッチレスポンスがとても良く、バンドサウンドの中でも埋もれることのないセッティングを可能とするEQ等、高い満足感を味わう事が出来る優れたペダルだと思いました。